19.蕎麦の食べ方
蕎麦は江戸時代、小麦を2割混ぜた二八蕎麦ができるようになり、気軽に食べられるように(繋ぎが無いと扱いづらいので蕎麦がきが主流だった)。
明治時代は、蕎麦よりもうどんの方が高級。ハレの日に食べるにはうどんが主流だったようだ。蕎麦は荒れた土地でも栽培できるので少し貧しい食べ物として発展してきた。その質素さが日本人気質に合い、お茶と同じく「精神論、道」の世界へ。
純粋蕎麦10割・挽きたて・打ちたて・茹でたてを使ったざるそばが、最高の蕎麦料理に。本当は蕎麦粉はいろいろな調理法で食べると美味しい(ガレットもその一つ)が、邪道扱いで料理法が発展していないのが残念。
※スタッフに「蕎麦」食べに行くか?と言うと、みんな蕎麦屋、ざるそばを思い浮かべる。蕎麦の香り、味が楽しめる料理が気軽に食べられるようになったら良いですね。
18.食の進化なのか?
江戸時代から庶民が、気軽に食べられる屋台。
そこから生まれた「寿司」「天ぷら」「蕎麦」。
特に寿司と天ぷらは、握りたて、揚げたてが美味しいのでカウンターで目の前で調理するスタイルが発展。ところが商売としては欠点が…。同時に相手に出来るのが最大6〜7人。回転も悪く、売上が上がらない。必然的に高級店はどんどん客単価を上げていかないと生き残れない。
※個人店で頑張ってきた、カウンターの天ぷらを一品ずつ揚げてくれるような定食屋が絶滅危惧種になっていくのは残念だが…。
すし屋は近年、回転ずしの台頭で日本人の一番好きな食べ物に。高級店も、ここ十年で様変わり。トップクラスの高級店でも2~3万円から食べらたのが、今は平気で5万円〜10万円を取る店が主流に。
高級和食、寿司店でも高級ワインを置き、客単価のアップを狙う店が多くなってきた。ワインは何十万円もするボトルを飲みたがるリッチなお客が多いようだ。
高級化が進むことで良いこともある。素材の厳選や調理技術進化は目を見張るものがあり、世界に誇れる日本の料理に。
※「寿司にも和食にもワインが合うね」…
良いも悪いも、日本料理は3つ星を求めて走り続けて行くのは仕方ないですね。
15.「海の宝石箱や」名言を生んだメニュー
20年ほど前、運営していた飲食店の新メニュー「美味しい海鮮丼」を作ろうと考えた。そこで海鮮丼の欠点を考えた、
❶殆どがわさび醤油で食べるので味の変化がない。
❷色々な食材が使いにくい。
❸見た目がワクワクしない。
❹見た目より値段が高い。
❶〜❹の問題を解決した丼を創ることにした。
❶解決策、三回味を変えて食べられる(山葵醤油・甘さを加えバラチラシ風味に・最後は出汁を掛けあっさりと)桶を使った丼に。
❷と❸の解決策、12種類以上の魚介類を乗せる事にした。小さめに素材をカットし、混ぜて処理の上に乗せる事でキラキラと海の宝石箱の様に。
❹の解決策、寿司ネタ・刺身に不向きなサイズの魚介類を使える事でコストが半減できた。・・・・
これで生まれたメニューが・・・・「海鮮ひつまぶし」。
これこそ某グルメレポーターが「海の宝石箱」と名付けた一品。