〜美味しい店の独り言〜

明日のヒントに

13.今では信じられない40年以上前の話

高度成長期、新しい商品が続々と出てくるワクワクする時代、私が経験した信じられない小さな話。

(1)ホンダレジェンドの新車を買い、後座席に乗ろうとしたらシートベルトが見つからない・・・探していると後部座席のシートの下にもぐりこんだ、油だらけのシートベルト発見。検品体制もおろそかな時代が有った。

(2)プラスと言うメーカーの書庫(上段がガラス製の洒落たタイプ)が突然爆発、ガラスが木っ端みじんに、びっくりしましたが、ケガ人も出ず無事でした。静電気の為に起こったと詫びの説明が有りましたが、新しい技術の検証が足りない時代でした。

(3)トヨタパブリカの中古車を初めて買い、乗っていました。ある時、マニュアルシフトレバーをバックの位置に入れようと左手前に持って行くとそのまま、シフトレバー折れてしまい動かなくなりました。こんな不良品も有った時代。

今では信じられないことがまだまだありましたが、なんとも楽しい時代でもありました。

12.逆転の発想

昔、大手運送会社から広い倉庫を借り、雑貨配送センターに使っていた。倉庫は開けっ放しで冬はすごく寒い。スタッフの寒そうにしている姿を見て「何とか暖房を入れられないか?」と


大家の運送会社社員に相談。すると「寒いのは、じっとしているから。走りながら仕事をすれば、暖かい」と思いもよらぬ返事が・・・。言っている内容はひどい話ですが、どんな問題も色々な角度から見直す事が大切だと思い知らされました。

11.人のふり見てわがふり直せ!

ランチによく行った街中華・・店に入ると大将の声が響いている。ホールにちょっとドジそうな若い女性店員。大将はカウンター越しに「それはそのテーブルじゃない」・「お客さんに水を早く」と怒鳴るような口調で絶えず、イライラ。・・カウンターに座っている私に「すいませんな~、出来が悪いんで」と女性店員の振る舞いを詫びる。・・・店の雰囲気を悪くしているのは「大将の怒鳴り声」。

考えてみると、意外とこんな状況たくさんありそう。

10.美味しい蕎麦食べたい

蕎麦が急に食べたくなる時がある。一番好きだった店は、揚げ物が無い店。「挽きたて、打ちたて、ゆでたて」の蕎麦にこだわると、同時に揚げたて勝負の天ぷらが出せないし、天ぷらの香が勝ってしまう、と主人が言う。・・ごもっとも。

しかし、「天ざるが食べたい」時もある。蕎麦を食べたい時に悩む。蕎麦をすすりたい?枯節出汁の味?鴨の出汁?蕎麦の喉越し?蕎麦の香、味?天ざるで食べる天ぷらの匂い、味?最後の蕎麦湯が飲みたい?・・

いつも、もり蕎麦・天ざる・鴨蕎麦の三択で悩んでしまう。幸せな悩み。

09.少々? たくさん? 一握り?  数値化しよう。

昔、大きさの表現に「霞が関ビル何倍分?」とか「東京ドーム何倍の広さ?」とかメディアでよく言っていた。すごい大きい印象を与えたいだけで本当の大きさはどうでも良いのかもしれない。例えば、広さなら何m×何mと言えば、実際の大きさは想像できる(味気ない表現)。日常でも「ちょっとしたら行く」などとあいまいな表現も多いが、料理レシピは、しっかりと数値化して伝えた方が良いと思う。

今でも少々、一掴みなどあいまいな表現が多い。例えば、ウイスキーソーダ割りを作るとする。はかりの上にグラスを乗せ、氷を何g、ウイスキーを何g、ソーダ水を何gと重量で示せば、器も汚さず、美味しいソーダ割が作れる。味気ないですが・・・

08.一年前から予約の入る料理・食品

 

季節の美味しい素材を使った料理を提供する一番の方法は、一年前から予約を頂くこと。

注文に合わせ生産者と話をし、料理・食品に合わせた素材を作って供給してもらう。これが一番の大切。トレサビリティ―(その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか)、生産者の顔が見え、サステナブルな食品循環にもなる。

 

07.料理の原点「手前塩」・・季節の香を塩に閉じ込める。

塩は料理の原点・・どこどこの塩が美味しいも良いが、自分でオリジナル塩を持つと、素材の美味しさを引き出す一番の助っ人に。

季節に合わせて数種類の手前塩を持ちたい。